約 3,782,345 件
https://w.atwiki.jp/hotrowa/pages/74.html
◆mfN0eC9miI 投下作品 No. タイトル 登場人物 26 烈火の将 その決意 マリア、シグナム、竜宮レナ、高町なのは 28 誓い言 〜スコシだけもう一度〜 一方通行、フェイト・テスタロッサ 30 とある少女の性書目録 高須竜児、御坂美琴 31 真夜中の病院で何を思う ステイル=マグヌス 34 古泉一樹の憂鬱 涼宮ハルヒ、キョン、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹 36 飲んだくれの戦士 マージョリー・ドー 登場させたキャラ 1回 マリア、シグナム、竜宮レナ、高町なのは、一方通行、フェイト・テスタロッサ、高須竜児、御坂美琴、ステイル=マグヌス、涼宮ハルヒ、キョン、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹、マージョリー・ドー コメント
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/44.html
第021話:絶対殺人武器の憂鬱 作:◆E1UswHhuQc 「ヒャッハッハ。アンタもツイてないな」 「……分かってるからあまり喋らないで、マルコシアス。誰かに見つかるでしょう?」 不機嫌に、ミズーは答えた。全く、運が悪い。 何の意味があるのか分からない殺人ゲームに巻き込まれたかと思えば、支給された武器はおしゃべりな本だった。武器として使えないことは無いが、取り回しに不便すぎる。 月灯を光源に、改めて名簿に目を通す――フリウ・ハリスコーの名前。 (運がないのは私だけじゃない、か) 硝化の森で育ったという精霊使いの少女の名は、御遣いの言葉を思い出させる。問うことしかしない、哀れな精霊。 未来精霊アマワ。そして名簿には、その契約者の一人の名がある。 ウルペン。彼は死んだ。 (……違う。わたしが殺した) 死者は蘇えらない。それは常識だ。 だとすれば、このゲームの主催者は常識外の力を持っていることになる。いや、彼らがそんな力を持っているから、自分はここにいる。 考える事をやめ、ミズーは息をついた。 「まずは……フリウね」 「お仲間も一緒に来たのか? 難儀じゃねっか。ところでよ」 けたけたと笑うマルコシアスが、急に口調を変えて言った。 「その名簿の中に、マージョリー・ドーってぇ名前はあるか?」 「マージョリー・ドー? ……あるわよ」 「そーりゃあ良かった。ソイツは俺の契約者でな」 「契約者……」 マルコシアスの発した言葉に、つい肩に手をやる。 獅子のマント留めは、そこに無い。 本は気にせず言葉を続ける。 「話によっちゃあ、仲間になってくれるかもしんないぜ。ゲームに乗る気はねえんだろ?」 「……ええ。そうよ」 言って、ミズーは立ち上がった。殺人精霊によって死に絶え、硝化した帝都の光景を脳裏に浮かべて。 「殺し合いは最後の手段でいい」 【残り115名】 【D-5/森の中/一日目・00:40】 【ミズー・ビアンカ(014)】 [状態]:正常 [装備]:神器グリモア(形状:本。マルコシアス入り。この後の行間あたりにマージョリーの容姿説明) [道具]:デイパック(支給品入り) [思考]:フリウ・ハリスコー、マージョリー・ドーとのとの合流。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第020話 第021話 第022話 第020話 時系列順 第027話 - ミズー 第085話 - マルコシアス 第085話
https://w.atwiki.jp/bkneko/pages/1582.html
キャラクター一覧|ALLキャラ進化表|デバフもち|クリティカルもち|小判&ドロップもち|キャラダメージ表 + ガチャキャラ一覧 ガチャ(レア)【体当たり(キャラ)|弓(キャラ)|魔法(キャラ)|ため(キャラ)|サポート(キャラ)】 ガチャ(激レア)【体当たり(キャラ)|弓(キャラ)|魔法(キャラ)|ため(キャラ)|サポート(キャラ)】 ガチャ(超激レア)【体当たり(キャラ)|弓(キャラ)|魔法(キャラ)|ため(キャラ)|サポート(キャラ)】 ※限界突破のステータスは上限解放が記載されていないものは未解放状態での値です ※限界突破のステータスは推測値ですので+-10ぐらい前後する場合があるかもしれません。(参考までに ジョリー キャラガチャ「イービルフェアリーズ」にて出現するキャラ。 ジョリー 蛇に成りしジョリー 妖蛇に成りしジョリー キャラ名 タイプ 属性 レアリティ レベル 体力 魔力 CP ジョリー ため 木 レア 20 1256 351 270 蛇に成りしジョリー ため 木 レア 20 3657 729 450 妖蛇に成りしジョリー ため 木 レア 30 8964 1997 450 限界突破 +20 16135 3595 430 ジョリー 蛇に成りしジョリー 妖蛇に成りしジョリー マジックスキルジョリー 蛇に成りしジョリー 妖蛇に成りしジョリー ダッシュ+10射程+7必要CP-200(木)(召喚回数1回以下)木属性攻撃60%増加水属性をストップ20%中(木)(バトル開始20秒以内) ダッシュ+10射程+7必要CP-300(木)(召喚回数1回以下)木属性攻撃110%増加水属性をストップ30%中(木)(バトル開始20秒以内) ダッシュ+20射程+7必要CP-500(木)(召喚回数1回以下)木属性攻撃160%増加水属性をストップ70%中(木)(バトル開始20秒以内) 進化素材表 ジョリー 降臨の書3 蛇に成りしジョリー 降臨の書・真3 神竜の紅玉1 竜のウロコ3 妖蛇に成りしジョリー 説明 リリスの呪いにかかってしまったネコ・ジョリー。 もともと自身の力のなさに悲観していたが、リリスの呪いで蛇の力を手にいれたことで強くなる。 蛇の熱の感知能力により、真っ暗な場所でも正確に敵と戦える。 自身の歯から毒を出すことができ、相手を毒死させることも可能になる。 蛇になる以前は泳ぐこともできなかったが、今では水中戦もお手の物だそう。 備考 動作確認用。 射程の敵に当たるっぽい。 移動が速い。
https://w.atwiki.jp/sslibrary/pages/91.html
【種別】 “紅世の徒”、通称 【初出】 II巻 【解説】 “紅世の王”。真名は“蹂躙の爪牙”(じゅうりんのそうが)。炎の色は群青色。 フレイムヘイズ『弔詞の詠み手』マージョリー・ドーと契約し、巨大な本型の神器“グリモア”に意思を表出させている。 本性の姿は巨大な狼。II巻では暴走したマージョリーの力が彼の本性の姿をかたどり、擬似的に顕現したことがある。 戦闘狂で誰にでも軽薄な態度を取る。フレイムヘイズとして活動しているのも、自分の闘争心を満たすためという面が大きい。 マージョリーと共に数百年、“徒”を狩り続けてきた。強力な自在師であり、マージョリーが意のままにする自在法『屠殺の即興詩』も、彼の能力の一つである 。 “徒”に対しては討滅の戦意も顕わに浮かれ騒ぐが、軽薄で凶暴な態度とは裏腹に実は情味に厚い性格。マージョリーやその子分、そして戦友などには優しい、案外深い性格のナイスガイだが、普段は神器をぶっ叩かれてバカマルコ呼ばわりされている。 キスのことを何故か「ベーゼ(フランス語)」と言う。 シャナたちが新世界『無何有鏡』へ旅立ってから二が月後の四月下旬、マージョリーと共に御崎市に戻って出迎えた吉田一美と田中栄太にフレイムヘイズたちや外界宿の近況を伝え、故郷である“紅世”との繋がりが断ち切られた理由を説明した。 マージョリーに「我が○○なる××、マージョリー・ドー」と呼びかけることが多い(○○、××の部分は毎回変わる)。 II巻:麗しの酒盃(ゴブレット)/性急なる追っ手/ぶっちぎりの牙/優しき姫君/愛しきフレイムヘイズ/多情の花/玄妙なる詩人/眠れる美女/怒れる淑女/酔いどれの天使/尖鋭なる剣/高き誇り III巻:腐った酔っ払い IV巻:薄情なる同士/しおれた花/か弱き佳人/ものぐさな探索者/頑強なる生命/怠惰なる愚者/不死身の猛者/無様なる旅人/純情なるブッ(途中で殴られた) VI巻:無道な運搬者/腕利きのシェフ VII巻:麗しの酒盃/淑やかなる模範生/技巧の自在師/強烈なる爆弾/恋の旅人/猛き親分/妙なる歌姫/多忙の才媛 VIII巻:ものぐさなバラスト/低調なる眠り姫/鈍感なる美姫/厚き仁者/残酷なる師匠 IX巻:懇切なる世話人/非情なる相棒/神妙なる哲学者/ふしだらな泥酔者 0巻:万能の魔女 XI巻:せっかちな復讐鬼/情厚き保護者 XII巻:情厚き女/涙の大盃/憂愁の淑女/短気な導火線/懇切な盾/鋭き鑑定士/寛容の慈母/麗しの酒盃 S巻:放埓なる投擲者/過酷なる命令者/執拗なる鯨飲者 XIII巻:篤実なる研究者 XIV巻:重厚なる盾/果敢なる重戦車/怪力の起重機/混濁の遠眼鏡 XVI巻:鋼の拳骨 XVII巻: XVIII巻: XIX巻: XX巻:空疎なる哲学者/錆びた宝剣 XXI巻:曖昧なる道連れ/生粋の戦士 XXII巻:不器用な輓馬/短き導火線 【由来・元ネタ考察】 名前の元ネタは、ソロモン72柱の悪魔“第七座天使の侯爵”マルコシアス(Marchosias)。 序列35番の悪魔で、グリフォンの翼と大蛇の尾を持った狼の姿で現れ、常に炎を吐き続けているという。召喚の際は、あらゆる疑問に答え、戦術と兵法に長け闘争を助けると言う。 またマルコシアスは同じくソロモン72柱の女悪魔・グレモリーの騎乗獣であったという説もあり、その忠誠心は厚く、グレモリーを害する者は相手がたとえ悪魔王であったとしても、躊躇無く排除しようとするほどとされる。 「蹂躙」とは、暴力や権力により他者を踏みにじり、社会秩序を乱すことをいう。「爪牙」とは、文字通り獲物を殺傷する爪や牙であると共に、主君を守る信の置ける側近をも意味する。 真名全体では、「秩序をも無視して他者を踏みにじる暴虐の力を秘めた、頼もしい爪や牙」という意味だと思われる。敵に対しては限りなく恐ろしく、味方とすればこの上なく頼もしい(そして時にルールを無視する)マルコシアスの心根を、過不足無く表しきった真名であろうと思われる。 【コメント】 ☆アニメ版から登場していた。 ☆XIX巻では、佐藤啓作とマージョリーを二人きりにするなど粋な計らいを見せた。 ☆[とむらいの鐘]のアシズや『九垓天秤』フワワや[仮装舞踏会]の巡回士リベザルとの対決が見たかったな。 ☆狼の姿をした“徒”は、他にフワワとファレグがいた。 ☆[マカベアの兄弟]や[轍]や[狂気の城]や『色盗人』との戦いが見たかったな。 ☆[巌楹院]のゴグマゴーグや[とむらいの鐘]の“棺の織手”アシズや『九垓天秤』フワワやニヌルタやソカルやチェルノボーグや[宝石の一味]のコヨーテやフックスやトンサーイとも絡んでいたら面白そうだったのにな。 ☆番外編『しんでれらのしゃな』では、魔法使いのマージョリーと共に登場している。 ☆番外編『かぐやひめのしゃな』でも、桃太郎のマージョリーと共に登場している。 ☆番外編『おじょうさまのしゃな』でも、マージョリーと共に招待客の一人として登場している。 ☆番外編『さんじゅうしのしゃな』でも、マージョリー・ミレディーと共に登場している。
https://w.atwiki.jp/tsukuda/pages/160.html
プレイ・ドー プレイ・ドー 1色パック 種類 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 青 240円 70x70x80 - 4975430 160142 赤 - 4975430 160159 黄 - 4975430 160166 白 - 4975430 160173 黒 - 4975430 160302 プレイ・ドー 3色パック 青、赤、黄 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 720円 70x210x85 - 4975430 160180 プレイ・ドー 4色パック 青、赤、白、黄 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 960円 70x280x85 - 4975430 160197 プレイ・ドー バーガーショップ 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 3000円、3300円 247x320x130 - 4975430 160258 プレイ・ドー レストランセット 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1950円 - プレイ・ドー やきたてパン屋さん 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1800円 - プレイ・ドー ひらがなセット 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1800円 225x335x60 - 4975430 160234 プレイ・ドー いろいろナイフ 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1800円 180x340x70 - 4975430 160210 プレイ・ドー にょろくんパック 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 980円 155x220x52 - 4975430 160230 プレイ・ドー NEWレストランセット 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 2000円 225x335x60 3才以上 - 4975430 160272 プレイ・ドー NEWパン屋さんセット 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1850円 225x335x60 3才以上 - 4975430 160289 プレイ・ドー とこやさんセット 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 2980円 355x285x83 3才以上 - 4975430 160319 プレイ・ドー 恐竜くん 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 1650円 217x167x73 - 4975430 160265 プレイドーセット(ミニ) 発売日 当時の価格(税抜) サイズ(WDH,ミリ) 対象年齢 電源 JANコード 400円 - 説明 カラフルな粘土 (C)Kenner CM プレイ・ドーレストランへようこそ にょろくんぎゅっとスパゲティ いろいろできちゃうプレイ・ドーランチ おかわりはいかがですか? プレイ・ドーのレストランセット 他にもいっぱい面白プレイ・ドー 場所 備考 URL 放送日 ひらけ!ポンキッキ 1989年7月
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/558.html
第453話:利害の一致と利用価値 作:◆Sf10UnKI5A 歯車様――送迎用バスの残骸から抜け出たマージョリーは、随分久しぶりに“気を失う”という経験をした。 気絶していたのはほんの数分間だが、そのわずかな時間で三人組の『存在の力』が知覚出来なくなっていた。 「ヒヒヒ、お目覚めかい? 我が麗しき眠り姫マージョリー・ドー」 「うっさいわねバカマルコ。……それにしても、何でここまで力が落ちてるわけ?」 「歯車様の呪いじゃねえンゲェッ!!」 口汚い本を叩いて黙らせたマージョリーは、現在の自分の能力について再認識する。 「存在の力を感知出来るのは……一エリア分の五百メートルも無いわけね」 わずか数分の気絶で、疲弊しているはずの三人組がそれ以上遠くまで逃げられるとは思えない。 知覚範囲に三人動かぬ人間がいるが、全て死体のようだ。 「それで……封絶は使えないのにトーガは使える。でも攻撃力・防御力共に下げられている……」 ブツブツと呟くマージョリーの横、マルコシアスは黙って彼女の言葉を聞く。 「ねえマルコ、本当に過去こういった事件は無かったのね?」 「くどい質問をするんじゃねえよ。このゲームは“都喰らい”と質は違うが、同じくらいに奇妙で危険だぜェ? もしこんなことが起きてたら、噂が紅世を七周半はしてるだろうさ、ヒヒッ」 「ま、そりゃそうよね……」 マージョリーはグリモアを持って立ち上がり、 「荷物を回収して、そうね……。南は考えにくいし、北の学校にでも行ってみるわ」 「当てでもあんのかい?」 「ただの勘よ、勘」 結果として、彼女の勘は丸外れというわけではなかった。が、 「ギャハハハハハハハッ!! 一体どうしたってんだ!? 我が怒れる戦姫マージョリー・ドー!! 戦いもせず尻尾巻いて逃げ出すなんてよぉブフッ!?」 「うっさいわねバカマルコ! あんた、どうせ判ってて言ってるんでしょ。黙りなさい」 学校には、確かに人がいるにはいた。 しかし目的である三人組は感知出来ず、さらに不幸なことに、 「一ヶ所に六人も集まるなんて、仲良しクラブでも作る気かってのよ」 クエロという名の時限爆弾の存在など露知らず、マージョリーはそう評した。 強襲しようにも、自分の状態は万全にはほど遠い。 やむを得ず見逃すことにして移動中、先のマルコシアスの言葉が出たのだった。 そしてまた、本から声が響いた。 「なあ、ちょいと聞くがよ」 「何よ。またぶっ叩かれたい?」 「いやぁ、生き残るっつーご大層な目標のために、少しは頭を使ったら ……イテテ、要はやり方を考えたらどうだってことだ」 「まさか私に怯え隠れて逃げ回れって言うんじゃないでしょうね」 「そんなんじゃねえさ。殺戮に付き合ってくれそうな輩を探しゃあいい。 ――炎髪灼眼とかな」 マージョリーは足を止め、グリモアを睨み、 「……本気で言ってるの?」 「本気も本気だぜぇ、ヒヒッ。ほらよ、俺らがここに来た時は離れ離れになってたじゃねーか。 炎髪灼眼と、アラストールの奴の神器も同じ状況だと思わねえか?」 「アラストールがいなければ、あのジャリをたぶらかせるってわけね」 再び足を動かし始めたマージョリーは、少しして、 「……あまり気の進まない案ね。アラストールがいなくても坂井悠二の奴が一緒なら御破算。 第一、アレは問答無用で襲ってくる可能性もあるわ」 「ギャハハハハ、弱気なモンだなぁ!」 マージョリーはマルコシアスの嘲笑を無視した。 (確かに、誰か協力者を作るってのは良策よね。適当に人数減った所で殺せばいいんだし。 問題は、殺人に躊躇いを持たず、そのために他人と手を組むような人間がいるかどうか……) 空を見上げ、適当に雨宿り出来る場所を探そうか、とマージョリーは思った。 豪雨に揉まれ、草に足を取られながらも折原臨也は市街地に到着することが出来た。 「まずは適当に休憩したい……けれども……」 周囲と探知機を見比べながら、臨也は商店街へと移動する。 商店街に入ってしばらくすると、探知機に変化が現れた。臨也は店の間の物陰に体を隠し、 (一人だけか。位置は、……あの酒屋かな?) 臨也は剣――結局持ち続けていた――とライフルを、街路からは見えないように隠した。 邪魔な雨避けのカーテンは投げ捨て、ナイフと光の剣がすぐ取り出せるか確認する。 作業を済ませた臨也は、特に気負った様子も無く酒屋へと向かった。 二階建ての一階部分を臨也は音を立てずに調べたが、誰も潜んでいる様子は無かった。 ただ、何箇所か不自然に酒瓶が抜けている、 (まさか上で酒盛りでも……そんなわけ無いか) レジの裏、開きっぱなしのドアがある。臨也はそちらへと足を進めようとする。 その瞬間、不意に、ガラスの割れる音が聞こえた。 続いて、店の外に何かが落ちた音。 (窓から外に逃げた!?) 臨也が外へと振り向くと、そこには―― 「下手な真似したら殺すから、大人しく質問に答えなさい」 雨の中、上に向けた手のひらに炎の球を浮かべた、長身の美女の姿があった。 「…………お姉さん、もしかしてベリアルの知り合いかな?」 「誰よそれ。とにかく、コイツを店の中にぶち込めばあんたごと店が炎上するわ。 そのくらい判るでしょ?」 死人に口無しと思い掛けたカマだったが、どうやら外れらしい。 『そんな小さな火の玉で……』と言うことも考えたが、一先ずは大人しく従うことにした。 臨也はゆっくりと両手を上げ、顔に笑みを浮かべると、 「で、質問って何かな、お姉さん」 「気安くお姉さんお姉さん言うのは止めなさい。……じゃ、まず名前」 「折原臨也。お姉さんは?」 「もう一つ、質問に答えたら教えてあげるわ」 互いに薄ら笑いを浮かべたまま、会話が続く。 「……じゃあ、どうぞ」 「何軒も店が並ぶ中で、何故この酒屋を選んだわけ? 単に雨宿りするなら他でもいいじゃない」 臨也の表情は変わらない。 「酒好きだからね、どうせ店に入るならって良さそうな所を選んだだけさ」 「それにしちゃ、随分こそこそしてたわね」 「で、お姉さんの名前は?」 「マージョリー・ドーよ、イザヤ」 と、そこでマージョリーは浮かべた炎を消して見せた。 「度胸と腹芸は及第点ってとこね」 呟き、傍らに落ちていた巨大な本を軽々と拾い上げた。それを持って店の中に入る。 「イザヤ、この周辺にあんたの仲間がいないことは判ってるわ」 「どうかな? 建物の陰に君を狙う銃口があるのかもしれない」 「つまらないことを言うのは止めなさい」 マージョリーは臨也の目を見据え、 「――私にはね、判るのよ。だから正直に話しなさい」 (ハッタリか、超能力の類か……。ま、どっちでも構わないかな) 「おっしゃる通り、俺は一人で行動している。これでいいかい?」 「上等よ。じゃあ次の質問。 このゲームで生き残るために、他人を殺す気はある?」 臨也は少し間を置いて、 「答えにくい質問だね。イエスノーで言うならイエスだけど」 「ならば、一人でやっていくには限界があると思わない?」 その言葉に、臨也は笑みを濃くする。 「手を組んでほしいのなら、最初から言えばいいのに」 「生き残るために手を組むんじゃないわ。“殺すため”に手を組むの。理解出来る?」 「なるほど、参加者の中に邪魔で厄介な相手がいるんだね」 マージョリーもまた笑みを濃くし、 「頭も切れる、と。武器は?」 「ナイフが一本。あと、近くにライフルを隠してある」 ――目の前の女は、銃弾の一発程度でくたばる人間じゃない。 ――セルティの様に。静雄の様に。萩原子荻が怯えた相手の様に。 「随分好条件なのが飛び込んできたじゃない。ねぇ、マルコシアス」 「何だァ、やっとお喋り解禁かい、ヒヒッ」 新しい男の声、それも近くから。臨也は思わず周囲に目を走らせる。 「そんな怖い顔すんなって、兄ちゃん」 「……まさか、その本が?」 初めて臨也の表情が笑み以外のものに変わった。 「そうよ。本の名前は“グリモア”。喋ってるのは“マルコシアス”」 「ヒヒヒ、ヨロシクなぁイザヤ」 (……いやはや、セルティ以上の変わり者がいるとはね) 「ヨロシク、ってことは、同盟締結ってことなのかな?」 「そっちが構わないならね。断るなら殺すけど」 「いやいや、願っても無い話だよ。ただ、条件があるんだけどいいかな?」 「言ってみなさい」 「襲ってくる相手と、君が狙っている人間を殺すのには手を貸す。 ただし、それ以外の人間が相手なら手を貸さない。 全部の人間を狙っている、ってのはナシ。 俺の知り合い、まあ一人だけだけど、は殺さない。 相手が誰であれ戦闘中にピンチになったら、俺は自分の身を第一に動く。 残り十名前後になったら同盟は解消。これでどうかな?」 マージョリーは、クッと低い笑いを漏らし、 「随分と調子がいいわね」 「君の方が圧倒的に強いんだから、これくらい認めてもらわないと」 「いいわよ。じゃあ私の条件は一つだけ。 ――そちらの条件に挙げた以外の状況では、私の仲間で在り続けること。 裏切れば殺す。これでどう?」 臨也もまた、笑いを噛み殺し、 「それは二つじゃないかな?」 「二つでワンセットよ。で、返答は?」 「OK、同盟成立ってことで」 臨也はゆっくりと手を下げる。 マージョリーがゆっくりと手を上げる。 マルコシアスの笑い声をバックに、二人は殺人同盟締結の握手を交わした。 【C-3/商店街、酒屋前/1日目・15 35頃】 『詠み手と指し手』 【マージョリー・ドー】 [状態]:全身に打撲有り。やや上機嫌。 [装備]:神器『グリモア』 [道具]:デイパック(支給品一式・パン5食分・水1300ml) 、酒瓶(数本) [思考]:ゲームに乗って最後の一人になる。 臨也と共闘。学校組が目障りだと思っている。 シャナに会ったら状況次第で口説いてみる。 【折原臨也】 [状態]:上機嫌。やや疲労。 脇腹打撲。肩口・顔に軽い火傷。右腕に浅い切り傷。(全て処理済み) [装備]:ナイフ、光の剣(柄のみ)、銀の短剣 [道具]:探知機、ジッポーライター、禁止エリア解除機、救急箱、青酸カリ デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml) [思考]:マージョリーと共闘(利用)。 セルティを捜す。同盟を組める参加者を探す。人間観察(あくまで保身優先)。 ゲームからの脱出(利用できるものは利用、邪魔なものは排除)。残り人数が少なくなったら勝ち残りを目指す [備考]:ジャケット下の服に血が付着+肩口の部分が少し焦げている。 ベリアルの本名を知りません。 ※酒屋の傍に、・蟲の紋章の剣 ・ライフル及び弾丸(三十発) が隠してあります。 2006/01/31 修正スレ210 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第452話 第453話 第454話 第430話 時系列順 第413話 第452話 折原臨也 第465話 第407話 マージョリー 第465話 第407話 マルコシアス 第465話
https://w.atwiki.jp/swordandmajic/pages/63.html
ドーの森 【フィールドマップダンジョン】 初心者への入門ダンジョンであると同時に前半の金策マップ イムドリア学園の校門から入る イムドリアの戦闘の感覚をここで掴むべし お勧めメンバー ルーナ 鞭が蟻相手に相性が良い。スキルが素早さ重視なのも相まってとても効果的。 チカ 火属性魔法がトレントによく効く。同様に火属性スキルを使えるキャラはトレントとは楽に戦える。 攻略メモ クティカ洞窟よりデスがいないぶん探索は楽かと思われる。だが奥へ進めば強敵が出現するようになっていて最初から進んでも突破は困難。 上手く敵を誘導すれば宝箱だけならとって帰ることも可能だが・・・・・・。 キノコや木材など主な換金クエストの対象のアイテムが揃っている。ここでお金を稼いで装備を揃えよう。 兵隊アリが美味く鞭を装備できるキャラが大活躍でき、序盤のLv上げにも丁度よい狩場になる。 装備が揃ったらラミア・トレントにGO。火炎斬り、ファイアーボールなど、火属性の攻撃がよく効く。木材でお金を稼げるのもいい。 サンダーソード無双するなら麻痺もよく効くがちょっと火力過剰。トレントくらいしか見合う敵がいなくなる。 アイテム 宝箱 かしこさの種 マジックポーション 880ゴールド にんじん すばやさの種 力の指輪 素早さの指輪 ふしぎなきのみ 採取 普通のキノコ(1株0~4個1日1回) ワスレンボ(1日1個) BOSS 赤ラミア ラミア×2 クエスト:手配モンスターリスト1 場所:ドーの森西北西 ラミア群生地 姿は影(クエスト条件外ではトレント) 赤ラミア HP1500 攻撃力38 防御力32 ラミア×2 状態異常有効:毒 スタン 麻痺 暗闇 沈黙 眠 主な行動:アイス ドレインファング 触手を絡みつかせる(女キャラは2度受けると興奮) 備考:なし 経験値:13000(赤ラミア9700 ラミア2600×2) アイテム:サファイア フルポーション 魔道書【アイス・シールド】 クエスト報酬:3000G ラミアと戦えるスキルと装備なら苦労することはないボス。 氷属性の防御とそこそこのHPがある盾役がいれば磐石。 サンダーソードがあれば開始早々決着がつく。 毒牙があれば攻撃力1でソロでも勝てるボスの1匹。 BOSS ニャル ローリー カーバンクルのしっぽイベント(NEW!追加クエスト) 受注条件:港町ダーナのギルドで依頼書を読む カーバンクルを見逃した場合のイベント。 見逃した後クエスト失敗となりギルドへ入ったときに冒険者が張り紙を見ているのを目撃するイベント発生。(見逃した日に行っても起きなかったので1日経過か夕方前?) その後、ドーの森最深部へ行くと冒険者と戦闘、勝利後に精霊石カーバンクル入手。 名前 HP 経験値 アイテム 属性 状態異常 盗む 備考 ニャル 3300 30000 サンマサンドイッチ 毒 × 暗闇 × 睡眠 × 麻痺 △ 沈黙 △ キラークロウ (超)みだれ斬り 百花繚乱 閃華乱舞 等 ローリー 4600 混乱 × 睡眠 × 麻痺 × 沈黙 △ 暗闇 △ 毒 △ オリハルコンブレード 混乱 グランドクロス 聖女の護り ひらめき アイシクルソード フレイムランサー ウィンドスラッシュ ハイメガヒール スパーク等 敵 名前 HP 経験値 アイテム 属性 状態異常 盗む 備考 スライム 14 108 ポーションスライムのにく 火 ○ 雷 ○ ポーション キラーバット 15 165 ポーション羽根付き帽子 地 × 雷 ○ ポーション 兵隊アリ 38 400 ポーションキャンディ 火 ○ 地 ○ 暗闇 × 睡眠 × ポーション ラミア 170 1300 ポーションサファイア 雷 ○ 沈黙 △ 混乱 × 200G トレント 180 1500 リンゴ木片高級木炭 火 ○ 沈黙 △ 混乱 × みかん
https://w.atwiki.jp/steve600/pages/368.html
いとうのいじのイラストが有名な(?)ライトノベル。中の人はまだ読んでないしアニメも見てないんで論評は避ける。 ヴィルヘルミナ・カルメル シャナ・ニエトノ マージョリー・ドー
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/579.html
第473話:救いの糸は千切れて散った 作:◆eUaeu3dols 『それまで、よッ!!』 マージョリーとマルコシアスの声が唱和し、ガスボンベの保管所に炎弾を叩き込んだ瞬間、 小柄な黒髪の女が懐から何かを取りだしてばらまいたのが見えた。 同時に、彼女が剣を構えたのも。 (何よ、悪あがき?) そう思った次の瞬間、爆発の閃光が煌めき―― 「ヤベェ、防げ!!」 「クソッタレのチビジャリがぁっ!!」 反射的に前面に集中した炎とトーガを巨大な爆発が吹き飛ばした! その数秒前。 サラ・バーリンは、敵の放った炎弾の青蛙が自分を狙っていない事に気が付いた。 ……まさか。 (彼女もあの場所を切り札にしていたのか!) 敵の炎の勢いは強く、水だけで消しきれるか難しい事には気づいていた。 ならばサラより火消しの得意な彼女の姉妹弟子を真似ればいい。 火か、風。サラに出来る手は、爆発。 だから念のためにこの場所に向かった事が裏目に出た。 まさか長居して籠城していたこちら側が地の利を利用されるとは! 炎の青蛙がガスボンベの保管所に飛び込んだ瞬間、サラは覚悟を決めた。 「これは賭けだ――!」 懐に入れていたありったけの手製の爆弾をばらまくと同時に、 “第七階位用高位咒式弾を装填した魔杖剣の引き金”を引いた。 二つの隠し玉をぶちまけたのとガスボンベのガスが引火したのは同時だった。 工事現場の様なやかましい轟音と共に地下室がぐらぐらと揺れ、 天井から欠け落ちた無数の石の粒が彼女達に降りかかる。 「じ、地震!?」 クリーオウが怯えた声をあげる。 既に地下室に降りている今、ここが崩れれば生き埋めになる。 いや、これはもはや仮定の話ではない。 安普請なのか、それとも爆発の位置が近いのか、これはもう…… 「もう崩れるわ! 行くわよ、クリーオウ!」 クエロは空目を背負ったまま秘密の地下通路へと飛び込む。 「でも、サラが!」 「彼女ならちゃんと後から来るわ!」 もちろん――そんな根拠など全く無い。 何者かは知らないが、相手は学校の設備を利用する狡猾さとかなりの戦闘能力が有るらしい。 その上、外からの銃撃を行った誰かが手を組んでいれば…… (利用価値は高いんだから生きていてもらった方が有り難いけれど、アテにはならないわね) この状況では諦めるしかない。 自分を疑っていると思われる奴が死にそうな事を喜ぶべきだろう。 もちろん――そんな事を口に出す事など有り得ない。 「来なさい!」 「あ!」 まだ僅かに躊躇うクリーオウの手を引いて地下通路に飛び込んだ次の瞬間、 地下通路の入り口は崩落して瓦礫に埋まった。 「クソッタレ……が……」 ゴボッと口から血の泡が吹き出る。 「おい、しっかりしやがれ! 我が凶暴なる恋人マージョリー・ドー!!」 「グ……言われなくったって……判ってるわよ、バカマルコ!」 マルコシアスの焦った声に怒鳴り声を絞り出す。 体の具合は最悪だ。 トーガは一瞬で吹き飛んだ。 胴体に刺さった何本かのガスボンベの破片と謎の釘は重要器官をも貫いている。 間違いなく、このままでは死ぬ。 その上、自在法による回復が間に合う傷でもない。 他に回復の技はない。 死ぬ。 間違いなく。 復讐の相手は見つからず、突如放り込まれた最高にクソッタレなゲームの中で。 「あの、クソッタレなチビジャリ二号は……クソジャリは、どこ?」 「待て、我が麗しの酒杯マージョリー・ドー! それより傷を……」 「うっさいわね、バカマルコ! カハッ! 何処だって……訊いてんのよ!」 「わたしなら、ここだ」 背後からサラの声が響いた。 ハッと振り返るマージョリー。 「……無傷!?」 「いや、だがこいつは……!」 マージョリーとマルコシアスの驚愕が交錯した。 * * * 爆弾を懐に抱えていても自分だけ自滅するだけだ。 だから、サラは全ての爆弾をややマージョリーに向けてばらまいた。 豪雨の中で少し濡れる事など殆ど影響が無い。 大量のガスボンベが爆発する衝撃と高温は導火線としては十二分にすぎる。 それどころか水場での使用を想定したマグネシウムを使用した爆弾に至っては、 防水が完璧でなければ外に出た瞬間に引火していてもおかしくなかった。 他にも念のために作っておいた釘入り爆弾は普通の人間に使うには残酷すぎる代物だ。 普通ではない相手が居る事を想定して作った物だが、まさか使う事になるとは思わなかった。 それらサラ・バーリン印の特製爆弾の連鎖爆発はガス爆発の脅威を倍増させ、 水が急激に蒸発する事による水蒸気爆発は熱を奪いしかし爆発力は更に倍増させた。 それにより膨れ上がった爆発はマージョリー・ドーの予想を超え、彼女を吹き飛ばした。 だが、当然ながらその爆風はサラ・バーリンにも襲い掛かった。 それに対抗するため、サラ・バーリンは第七階位高位咒式弾に全てを賭けた。 高位咒式弾を自在に使いこなせるというのはクエロに対するハッタリだが、全てが嘘ではない。 サラが図書室で行っていた読書は、自分の世界より数段進んだ科学知識を得る為の物だ。 (あの図書室には、よくよく見ると様々な世界の書物が僅かに混ざっていた。 だから空目もあの図書室に惹かれていたのだろう) そのおかげでサラは自分の世界に無い巨大ロボットなどという冗談を飛ばし、 更にサラの読んでいたタイトルを見て乗ってくれた空目の核爆弾という嘘にも反応できた。 それらの知識を元に理科室で弾丸を調べたサラは、その性質に薄々気がついた。 もちろん完璧ではない。 完璧ではないが、もう一つの偶然が彼女を助けた。 龍理使いという蔑称を持つ咒式の力と、サラの世界にある理の力の、極々僅かな近似点。 エネルギーと質量の保存則を無視しながらも更に大きな目で見れば法則に従う二つの術。 僅かでも判れば、理論より先に本質的な部分でその性質を掴むのは彼女達の得意技だ。 それは楽園の魔女達の中で一番の理論派であるサラ・バーリンにも当てはまる―― サラの意志を伴い理の力が魔杖剣の宝珠に流れ込む。 ――意識と魔力が仮想力場を通り、魔杖剣 断罪者ヨルガ の鍔に埋め込まれた宝珠で収斂し位相転移。 選択は一択、高位咒式弾のみ。その中に内蔵された触媒に力を注ぎ、役目を解放する。 ――高位咒式弾薬莢内の置換元素を触媒に物理干渉。術式の不一致から効力の大半が消失する。続行。 理の力が刀身で増幅され、サラがかつて死の都で得た失われし秘術を編み上げる。 ――紡いでいた術式が鋼線で修復された刀身を経て増幅、その切っ先の空間に輝く咒印組成式を描く。 (複雑な物を生み出す事は、出来ない) それは分かり切っている。サラが使いこなせる物でなければ意味が無い。 (だから……!) 生み出すのは単純にH2O、水分子。 単に極低温まで冷却された高圧の氷の壁。 第七階位の高位咒式弾で生み出すには贅沢すぎる、だが効力が半減する事を含めれば十分すぎる発現。 それはこの小さなゲームの中で最高級の水使いの防御術としては十分すぎる力を発揮した。 不純物の無い透明な氷の壁が、溶けて蒸発する事で熱を抑え、その重みと強固さが爆風を受け止める。 ボンベの破片が、鉄釘が、分厚い氷の壁の中程まで食い込んで動きを止める。 氷の壁で強烈な爆発を防ぎながら、サラは確信した。 「この賭け、わたしの勝ち……」 頭に、痛みが走った。 (そうか、クエロが言っていた……この部分は、本当……っ) 咒式は元より脳に多大な負担を強いる術だ。 このゲームの制限が加わり、第七階位の高位咒式の消耗は極めて厳しくなっている。 術式の不一致による負担の増加は途中でエネルギーの大半を失う事で相殺。 クエロのように制限されたとはいえ世界最高峰の精神攻撃魔術を喰らってもいない。 それでも、体験した事の無い種類の痛みはサラの力を奪い…… (せめて爆発が終わるまで) ……意志と気合で、爆発が途絶える瞬間まで術式を維持する事には成功した。 * * * 「……無傷!?」 「いや、だがこいつは……!」 マージョリーとマルコシアスの驚愕が交錯した。 サラ・バーリンは確かに無傷だった。 だが、膝を着き剣に支えられ、荒い息を吐くその姿はあまりにも無防備だった。 (やろうと思えば、簡単に……) 「殺、ス!」 マージョリーが腕を振り上げ、その中に炎を集中し始める。 降り続ける豪雨と消耗が邪魔をするが、僅かずつ炎が大きくなっていく。 「あの……素敵で奇妙な唄も、品切れ、か……」 「そんな物無くても、アンタを殺すには十分だってのよ……!」 屠殺の即興詩を編み上げる余裕すらない、存在の力をそのまま炎にした原始的な自在法。 それでも、無傷だがまともに動けない目の前の女を殺すには十分すぎる。 「……だが取引だ…………鎖骨美人なお姉……様…………」 サラはゼェゼェと荒い息を吐きながら、冗談を付け加えつつ持ちかける。 「あなたは、そのまま……だと、死ぬ……」 「それでもアンタを殺せるっつってんでしょうが!」 振り上げた腕の中でようやく、炎弾が人一人焼き殺すのに十分な大きさを持った。 それを目の前の女に振りおろ…… 「……わたしなら治せる」 『なっ!!』 ……寸前で止めた。 「わたしには、医術の心得も有る……」 サラは懐からメスと鉗子を取りだしてみせる。 「……取引だ。わたしを見逃せば…………治療……しよう…………」 「フザケんじゃないわ……時間稼げば一人勝ちじゃない、クソジャリが!」 今の彼女は腕の中の炎の塊を維持するのでさえ精一杯だ。 「5分でいい……それだけ休憩すれば…………治療できる」 「信用も出来ないってのよ! あたしが先に見逃して、アンタにわたしを助ける義理も無い」 治療中の力尽きた敵など幾らでも首をかっ切れる。放置するだけで良い。 それどころか、サラが今のマージョリーを助けられる保証も無い。 「だが……」 荒い息を何とか整え、サラは続けた。 「……信じなければ、あなたは確実に死ぬ」 「我が愛しの姫君マージョリー・ドー! 手はねぇぞ!」 「アンタまでッ、グ……バカ言ってんじゃないわバカマルコ! 目の前の敵を、死にそうになってる原因を見逃せっての!?」 「だからってテメェ、このまま死ぬようなタマかよ! こんなに最高でクソッタレなゲームに踊らされてよ!」 「うっさい! 黙りなさい、黙れこのバカマルコ!」 怒鳴り散らす。だが、腕を振り下ろせない。 手の中の炎弾が消えればその時点で選択肢は確定する。 なのにそれが出来ない。迷っている。 「もう一度、言おう……わたしは、あなたを治療できる……」 更にサラは指差した。刻印の場所を。そして。 「…………できる」 指を取り払って見せた。 『!?』 その意味を理解し、一人と一冊は息を呑んだ。 手の中の炎が揺らめく。 「楽園は、相手を信用し手を伸ばす事と、伸ばされた手を信用し掴む事から始まる」 サラは息を整え、宣言する。 「――ようこそ楽園へ。わたしは“楽園の魔女”サラ・フォークワース・バーリン」 マージョリーの手の中で小さくなった火がゆらめき……豪雨の中で、立ち消えた。 「でもそれだと、助かったところでマージョリーお姉さんは足手まといになっちゃうね」 唐突に響いた言葉にハッと振り向いた。 間に合わない。そして力が出ない。 ライフルの銃弾がサラの胸を撃ち抜いた。 『イザヤアァァァァァァァァッ!!』 マージョリーとマルコシアスが怒りの叫びをあげる。 「何を怒ってるのかな、マージョリー。 同盟の規約通りじゃないか。 『襲ってくる相手と、君が狙っている人間を殺すのには手を貸す』ってね。 君の手札が切れてるようだから、俺が手を貸しただけだよ」 白々しく臨也が笑う。 地下を見に行ってみると、どうやら爆発の振動で入り口があっさり崩れてしまったらしく、 諦めてマージョリーを捜しに行くと愉快な交渉が行われていた。 流石に細かい仕草までは判らなかったが、途切れ途切れに聞こえる声で状況は理解した。 元から互いに利用しあうだけの同盟など利用の価値が無ければ無いも同然だ。 だけど自分から解消する必要も無いから、わざわざ『裏切らずに敵を撃ってやった』。 「でもその様子じゃもう助からないし、同盟も自然消滅かな。 バイバイ、マージョリーにマルコシアス。 短い間だけど面白かったよ」 笑いながら臨也が歩み去って行く。 何も出来ない。 その背中にもう一度炎弾をぶつける力すら残っていない。 今度こそ空っぽだ。 その背中は悠々とマージョリーの視界から消えていった。 (…………クソッタレ) マージョリーは歯を噛み締めたまま、ゆっくりと崩れ落ちた。 「イザヤアァァァァッ!! テメェ、生きて帰れると思うなぁ!!」 その袂のグリモアから、マルコシアスが絶叫をあげる。 「オレ様が顕現すれば、テメェなんざ、テメェなんざ……」 マルコシアスの本体は人を超越した強大なる紅世の王だ。 器であるマージョリーを抜けてこの世界に顕現すれば一人の人間なぞ軽く吹き消せる。 もちろんそれには代償がある。 あまりにも強大すぎるその存在を維持するには多くの『存在の力』が必要であり、 周囲の存在の力を喰らいもせずに顕現するのは薪の無い大火を燃やすに等しい。 その存在はすぐに燃え尽き、アッという間に消滅してしまう事になる。 かといって周囲の存在の力を喰らうのは紅世の王として絶対に許されない事だ。 それは彼らとフレイムヘイズ達が敵対する紅世の徒の為す悪行なのだから。 だが、マルコシアスは、そのどちらをやっても良いと思っていた。 「殺して殺して殺して殺して殺し尽くしてやるからヨォッ!!」 彼の契約者、麗しの酒杯(ゴブレット)マージョリー・ドーを殺した糞野郎をブチ殺すためなら、 これまで守ってきた世界のバランスなんざ知った事か、死ぬ事など関係有るか。……なのに。 「畜生、なんで顕現できねぇ!?」 マルコシアスは悲痛な悲鳴をあげた。 ゲームの“制限”が彼を縛り、顕現を許さない。 単純に利害でみれば、それは彼にとって悪い事では無い。 顕現しなければ、マルコシアスは自然と故郷である紅世に送還される。 参加者でないとはいえ、生きてこのゲームから解き放たれるのだ。 「契約は! 誰か、契約できる奴はいねぇのか!? あの糞野郎を殺してくれる奴は!」 それでもマルコシアスはこの世界に留まる道を探す。 だが、周囲に在るのは死にゆくマージョリー・ドーとサラ・バーリンの二人だけ。 顕現は出来ない。 契約も出来ない。 何も、出来ない。 『殺されそうになった時、私は――』 『相手を絶望させることで、生き延びた』 不意に脳裏に甦った臨也の言葉と共に、マルコシアスの心は絶望に呑まれた。 (…………クソッタレ) ……マルコシアスの声も、もう、聞こえない。 マージョリーは崩れ落ち、マルコシアスの絶叫も途絶えた。 (ここまでか……) サラは冷静に状況を分析していた。 怒りはない。 ただただ残念で、無念で、悔しかった。 (ようやく“刻印を外す目処が付いた”というのに) 刻印の研究と、神野と出会い知った事と、魔杖剣と、第七階位高位咒式弾の力。 それらを束ねた所に……ようやく“それ”が見えたというのに。 (残念だ) そう呟こうとしても、喉から出るのはヒューヒューという音だけだった。 どうやら肺をやられたらしい。 すぐには死なないだろうが、マージョリーを助ける事はもうできない。 そして、長く苦しむ。 (せめて、この成果を……) 耐え難い息苦しさに苦しみながら、動く。 この記録を残さなければならない。 このゲームを打破するために。 ペットボトルが良い。 あれに全てのメモと判った成果を書いたメモを入れれば、雨の中でも濡れずに………… メモをするだけ体が動かなければ、せめて、これまでのメモだけでも…… (……殿下…………すまない……あとは……) やがてサラ・バーリンも力尽き、マージョリーに重なるように倒れ伏した。 雨が止んだ時、ペットボトルの一本は何処にも見当たらなかった。 【096 マージョリー・ドー 死亡】 【116 サラ・バーリン 死亡】 【残り 59人】 【D-2/学校地下/1日目・17 00】 ※:学校から地下通路への入り口は崩落により塞がりました。 【クリーオウ・エバーラスティン】 [状態]:右腕負傷。 [装備]:強臓式拳銃“魔弾の射手”(フライシュッツェ) [道具]:支給品一式(地下ルートが書かれた地図。ペットボトル残り1と1/3。パンが少し減っている)。 缶詰の食料(IAI製8個・中身不明)。議事録 [思考]:みんなと協力して脱出する。オーフェンに会いたい 【空目恭一】 [状態]:気絶中。 全身を火傷。ガスボンベの破片が刺さっている。物語感染済。 [装備]:なし [道具]:支給品一式。 “無名の庵”での情報が書かれた紙。 [思考]:刻印の解除。生存し、脱出する。 [備考]:刻印の盗聴その他の機能に気づいている。 クエロによるゼルガディス殺害をほぼ確信。 【クエロ・ラディーン】 [状態]:打撲あり(通常の行動に支障無し) [装備]:魔杖剣 贖罪者マグナス [道具]:支給品一式、高位咒式弾×2 [思考]:集団を形成して、出来るだけ信頼を得る。 魔杖剣 内なるナリシア を探す→後で裏切るかどうか決める(邪魔な人間は殺す) [備考]:サラの目的に疑問を抱く。空目に犯行に気づかれていると気づいているが、確信無し。 【D-2/学校周辺/1日目・17 30】 【折原臨也】 [状態]:上機嫌。 脇腹打撲。肩口・顔に軽い火傷。右腕に浅い切り傷。(全て処理済み) [装備]:ライフル(弾丸28発)、ナイフ、光の剣(柄のみ)、銀の短剣 [道具]:探知機、ジッポーライター、禁止エリア解除機、救急箱、スピリタス(1本) デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml) [思考]:セルティを捜す。人間観察(あくまで保身優先)。 ゲームからの脱出(利用できるものは利用、邪魔なものは排除)。残り人数が少なくなったら勝ち残りを目指す [備考]:ジャケット下の服に血が付着+肩口の部分が少し焦げている。 【D-2/学校・ガスボンベ保管所(別棟)周辺】 かなり大きな規模の爆発が起きました。 ガスボンベ保管所は完全に吹き飛んでいます。 また、周辺に以下の物が転がっているはずですが、 基本的に全て水浸しで、小物の類は流れた可能性があります。 マージョリー・ドーの死体(死因:大爆発による火傷と無数の破片) サラ・バーリンの死体 (死因:銃で肺を撃たれ窒息死) 神器『グリモア』(マルコシアスとの繋がりは切れました) デイパック(支給品一式・パン5食分・水1300ml) 、酒瓶(数本)、 支給品一式(地図には地下ルートが書かれている)、 煙幕、メス、鉗子、魔杖剣 断罪者ヨルガ (簡易修復済み)、高位咒式弾×1 ※:全てのメモと、更に鍵までペットボトルに入れられましたが、 豪雨の中、何処かへと流れていってしまいました。 また、刻印の解除法そのもののメモを書ききる時間が有ったかは不明です。 2006/01/31 修正スレ252-5 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第472話 第473話 第474話 第506話 時系列順 第474話 第470話 空目恭一 第475話 第470話 クエロ 第475話 第471話 折原臨也 第475話 第471話 マージョリー - 第470話 クリーオウ 第475話 第471話 サラ - 第471話 マルコシアス -
https://w.atwiki.jp/steve600/pages/119.html
アニー・ロッバン 井上涼子 ヴィッキー・ソリアーノ ヴィルヘルミナ・カルメル ジウシーニョ シャナ・ニエトノ 神条芹華 ナタリア・ベルポルスカヤ ノンノコ・カノ パウリナ フランセット・コレー マージョリー・ドー ミ・ジョンミン ミケル メーリ・イサクション